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の物語

 

 

 

 

 

とある所に少女がいました。

探し物をしていました。

最愛の妹でした。

ある日突然家から居なくなっていたのです。

探しに出かけることにしました。

 

 

逢った人にはこう聞きました。

 

 

 

 

 

 

「わたしによく似た小さい女の子を見なかったかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

最初に会った切り株に腰をかけている足が長いシルクハットを被った兎はこう言いました。

「この先に崖があるだろう?そこから飛び降りるのを見たさ。なんなら崖を降りて見てみなよ。

死体が無かったら僕の耳を剥ぎ落とし、目玉をくり抜いてもいいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に会った片方の羽が千切れた悪魔が言いました。

「僕は何も見てないし、知らない。そう言われたんだよ。その子にね。

嘘だと思うなら聞いてみなよ。何も言わないでくれってね。言ったら呪われてしまう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に会ったのは仮面が半分割れた黒いローブを被った人でした。

「あぁ、それならその茂みの奥のいっちばん大きな樹で首を吊って死んでいたよ。

間違いだと言うならこの身の皮を全て剥いでもいいだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に出会ったのは肉食の熊でした。

「聞いても驚くなよ?そいつはさっき俺が喰ってやった!!最高に美味だったぞ。ふん。

気になるなら俺の腹を切り開いてみりゃぁ良い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それらの言葉を聴いて少女はまっさきに行動をとりました。

最初は兎に言われた通り崖を降りようとしましたが

崖は急すぎて普通には降りられなかったのです。

少女は長い長いロープを家から持ってきて崖を降りる事にしました。

降りるたびに崖に生えている棘棘の草が少女の肌を傷つけました。

足が地に着いた時には血だらけでした。

草木がたくさん生えていて探すのには一苦労でした。

汗水流して一生懸命探しました。

隅から隅まで探しました。

けれどもいません。

見つかりません。

死体どころか血すら無かったのです。

少女は勘付きました。

嘘をつかれたのだと。

崖を急いで這い上がると、まだ兎はそこに居ました。

「どうだい?あっただろう。小さい女の子の死体がさ。」

兎は楽しそうに言いました。

「無かったわ。そんな死体。貴方嘘をついたのね。許せない」

少女は先程言われた通り兎の耳を剥ぐ事にしました。

兎の耳の根っこを掴んでずるずる引きずって家まで連れてきました。

倉庫から鉈を取り出しました。

少女はその重々しい鉈を軽々と持ち上げ振り下ろしました。

血しぶきをあげて耳が兎の頭から離れました。

兎は悲鳴さえも上げませんでした、喘ぎさえも。

重々しい鉈を床に投げ捨てて次は傍に置いといたスプーンを持ちました。

兎の下瞼を上瞼に人差し指と親指を引っ掛け大きく開けました。

そして眼と瞼の隙間からスプーンを滑り込ませました。

力を入れました。

ぐちゅっ、と生々しい音を立てて目玉は綺麗にスプーンにのりました。

紅い目玉が少女を哀しげに見つめていました。

そんなのも気に留めず、床に落として踏みにじりました。

嫌な音だけが当たりに響き渡りました。

妹はまだ見つかりません。

 

 

 

 

 

 

 

次に羽の千切れた悪魔のところへ行きました。

「そんな怖い顔してどうしたの?何か、あった?」

明るい調で話してきました。

それでも明るい気持ちに少女はなれませんでした。

「ねぇ、さっき貴方は妹に何も言わないでといわれたといったわね?」

「あぁ、いったとも。だけどそれが何か?」

少女は顔に憎しみというものを浮かべていました。

「だけど私にいったじゃない。」

悪魔は黙りました。

少女の顔を、見つめたまま。

「妹に嘘をついたのね。騙したのね!!妹に呪われてないなら私が呪ってやる。」

少女は小さなポケットにいれといた五寸釘と槌を出しました。

悪魔を傍にあった樹に押し付けました。

悪魔は抵抗をしませんでした。顔色一つ変えませんでした。

少女は悪魔の胸に五寸釘を当てます。

槌を手が曲がるまで後ろに振りかざします。

そして勢いよく五寸釘にあてました。

ぷつりと皮膚を破るような音が小さく鳴りました。

そして悪魔の胸を貫いて気まで刺さるぐらい打ち続けました。

悪魔に意識はありませんでした。

妹はまだ見つかりません。

 

 

 

 

 

 

次は仮面が半分割れた黒いローブを被った人のところへ行きました。

少女はその人の前を通りすぎその大きな樹を探しました。

近場にはありませんでした。

奥にあるのだと思いました。

真っ暗な森の中を進んで行きました。

途中人喰い鳥が現れて少女を襲いました。

必死に逃げましたが耳を一つと右手の小指を食べられてしまいました。

それでも探し続けていたのですが、一向に見当たりません。

死体どころか大きな樹さえないのです。

少女は駆け足でもと来た場所を戻っていきました。

「・・・なかっただろう?死体なんて!!あははははは!!ある訳ないだろう?馬鹿者めが!!あはははははは!」

仮面が半分割れた黒いローブを被った人が大声をあげて笑いました。

森中に響き渡りました。

狂ったように笑い続けています。

「貴方も、嘘をつくのね。」

「そうさ!さぁ、お嬢さん!!本当にこの身の皮を全部剥いでくれるのだろうね!?」

「許せない」

「道具なんざ持ってないだろうから、包丁でも貸そうか?なんなら皮むき器を貸してあげるよ!」

「なんで・・・嘘を・・・・・・つくの!?」

少女は包丁と皮むき器を奪い取り両手に構える。

仮面が半分割れたひとはニタリと笑いました。

そして大きく、笑いました。

「ふはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

靴を履いていたのでそれを取り除きました。

ローブも全部はがしました。来ているものを全部剥ぎました。

そして足の先のつめの方に包丁の先をぐさりと差し込みます。

紅いようなものが見えました。

構わず少女は間接の所まで皮を剥ぎました。

他の四本の指と左足もやりました。

すでに辺りと少女の手は血だらけです。

面倒なので足を切断しました。

ぶしゅっ、と血しぶきをあげます。

少女の頬に血がつきました。

長い足を下から太腿まで綺麗に皮を剥ぎました。

筋肉とか色んなものが丸見えでした。

仮面が半分割れた人はまだ意識がありました。

ただただ不気味に笑うだけでした。

それから少女は全身の皮を剥ぎました。

そこにはまるで人体模型のようなものが残っていました。

筋肉から見てまだ笑っているように見えました。

全身血だらけになってしまった少女は持っていた包丁を置いて皮もすべて叩き落としました。

妹はまだみつかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血まみれのまま少女は肉食の熊の所に会いにいきました。

熊は少女に気付き近づきます。

「よぉ、そんなに血にまみれてどうしたんだよ?」

少女は熊を睨みつけていました。

スカートのポケットに手を突っ込んで中に入っている小刀を握り締めていました。

「そんな睨むなよ。はっ。そんなに気になるのか?俺の腹。」

熊はふざけていいました。

少女はまだ睨みつけていました。

やっと口を開きました。

「ねぇ。確かめたいの。いいかしら?」

熊は鼻で笑いました。

「ははっ。そんなに気になるんだったら、もういいけどな!いいか?って良いって言わなくてもどうせやるんだろ。」

どこかやる気のない返事でした。

でも、少女にとってどうでもいいことでした。

ポケットの小刀を取り出し、熊を地面に押し付けます。

熊はとても悔しそうな顔で見ていました。

でも、嫌がる素振りは見せませんでした。

少女は熊の喉元から足の分け目まで綺麗に熊の腹部に線を描きました。

切れ目に指を突っ込みこじ開けました。

お腹の中の臓器と言う臓器がすべて露わになりました。

少女は中の臓器を素手で引き出しました。

腸も、肝臓、腎臓、心臓、全てを。

中身は空っぽになりました。

引き出したものを見ても、妹のものすら人の欠片もなかったのです。

熊は嘘をつきました。

自分は肉食だと言い張っていたのに、肉なんて食べていませんでした。

草や木の実ばかりを食べていたようでした。

少女はその熊をそのまま置いてけぼりにして、その場を去りました。

妹はみつかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、もっとも大きくて罪が重すぎる嘘に気付いたのです。

少女は嘘をついていました。

その嘘で何人もの生き物を殺しました。

ですが、それは妹のためでした。

妹は少女を尊敬していて、少女も妹を愛してました。

だから少女は妹が誰かに殺されたと言う事にしなければいけませんでした。

それは妹が少女を尊敬して愛していたからです。

「みんな、みんな嘘をつくのよ。ひどいわよね?」

少女はそっと妹の髪に触れていました。

そこは家の中のベッドの上。

妹はそこで横たわっていました。

眼は閉じてありました。

「ね?あなたはここに居るのにみんな嘘をついたんだから。」

少女は声をあげずに笑いました。

顔の筋肉を緩めて。

ただ不適に笑っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたを殺したのは私なのにね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘をついて人を欺き、妹のためなら人を殺す。

そんな少女が森の中で妹と暮らしていました。

 

 

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ちょっと狂い気味の少女の嘘をつくお話。

全て敬語のどことなく絵本チックn(ありえない

グロテクスな表現も含まれているので後悔に躊躇いましたが

読んで少しでも少女の嘘に溺れて頂けていれば光栄です。

 

 

 

 

 

嘘ついちゃ駄目なんだよ?

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